【朝ないがあった】
という文章からはじまる有名小説がある。
それはかつて、不倫小説といえばこの人!と日本中に言わしめた、
渡辺淳一先生の名作【ひとひらの雪】だ。
実際は【朝地震があった】という書き出しで、
それを【あさない】と読ませたのでありますが。
私は、
【ない】は地震のことを意味すると、その小説で初めて知りました。、
【地震】と表現するよりも、
(こんな時期にきわめて不謹慎ですが)
言葉の響きとして、とても風流があるなー、
よくこんな言葉知ってるなーさすがだなー、と読んだ当時思ったのでありました。
加えて、後に何かのインタビュー記事で、
【あの作品の書き出しは「朝地震があった」にしようって、兼ねてから決めていたんだ】と、
ご本人が話していたものを読んだことがありました。
だから私は【ない】という言葉の意味は、
【地震】という意味があるとずっと昔から知っておりました。
そして、それからずっと経ってから、
出どころは忘れてしまったけれど、
【ない】の語源が書かれたものを読んだことがありました。
なんでも、
【地震は、1と7が付く日に多い】ことから、
【ない】と名付けられたという俗説。
その時も【ふーん】でした。
月日は経ち、
今回のような予想だにしていなかった大地震が起こり、
日本中が困窮しているそんな中での昨日の、追い打ちをかけるような余震。
余震の規模と被害は、震災以来最大級でしたから、
泣きっ面に蜂なんていう甘い表現はとうに超えています。
亡くなった方もいらっしゃいました。
ニュースで被害状況を見ながら、
正直、参ったな、これ以上勘弁して下さいよ・・・と思い、
ふと、カレンダーを見たら昨日は7日。
え?と思いました。
今回の震災。
3月11日。
昨日の大規模な余震。
4月7日。
ひゃー。
と思っちゃった・・・。
私、興味はあれども、
あんまりこういう迷信や俗説って信じないのですが。
ちなみに、ちょっと調べたら、
過去の大地震も、
かなりの確率で1と7の付く日に地震が起こっておりました。
ちょっとばかり、ゾッとしたのであります。
(阪神淡路は1月17日、関東大震災は9月1日・・・などなど)
まぁ、ただ・・・。ちょいと冷静になってみよう!!!
【7】はともかく、
【1が付く日】は、単純に考えても月の1/3ありますからね。
確率的に多くなるのも当たり前。
そこに【7の付く日】も含めたら、
実際は1/3以上の確率、つまり1/2に近くなるから、
当然【ナイ】の日に地震が起こる可能性は跳ね上がるわけでして、
数学者にとっては、こういう俗説はナンセンスなことになるのでしょうね。
しかしやっぱり、3月11日と4月7日には、
ちょっとばかり偶然でないものも感じたりします。
真偽は分かりませんが。
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久しぶりに【ひとひらの雪】でも読んでみようかな。